『翼状片』

皆さんいかがお過ごしでしょうか?

日中は暑い日が続いて、

紫外線が強くなる時期になってきましたね。

今回は翼状片についてお話します。

翼状片とは、結膜(白目)下の細胞が増殖し、

鼻側の結膜が三角形に角膜(黒目)の中央に向かって侵入する疾患です。

主な原因としては、「長期間紫外線に晒される習慣」が挙げられます。

日照時間の長い場所に居たり、農業・漁業といった

直射日光に晒される仕事に就いている方に多く見られます。

翼状片は小さいものであれば無症状のこともありますが、

大きさにより、眼の充血・異物感などの自覚症状があります。

また、翼状片が瞳孔領(眼の真ん中)に近づくにつれて角膜の乱視が強くなり、

瞳孔領まで達すると視力が低下します。

翼状片の進行は通常、緩徐ですが、若い方の場合は進行が早く、

再発しやすいため注意が必要です。

治療としては、

充血がある場合炎症を抑える点眼(ステロイド)で充血が少なくなることはありますが

点眼治療にて翼状片が退縮することはありません。

進行した場合、手術にて切除する以外に治療はありません。

手術の適応には・・・

・充血や異物感の症状が強い

・翼状片が角膜の20~30%の大きさまで侵入した場合

・角膜乱視の変化による視力低下

・整容上で気になる場合

   などが挙げられます。

手術を検討する際には、再発リスクも評価することが大事です。

翼状片が大きい場合や若い方は再発リスクが高くなります。

再発予防にマイトマイシンCという薬剤を使用することもあります。

当院でも、翼状片の手術を行っています。

手術時間は30~40分程です。

手術当日は、眼帯を当てた状態で自宅へ帰宅します。

術後は痛みや違和感を伴うため、痛み止めを処方させて頂いています。

手術後翌日は診察がありますので、眼帯を付けたままの状態で来院して頂き、

診察後は保護眼鏡を使用した状態で、1週間過ごして頂きます。

手術後は、炎症を早く落ち着かせることが大事です。

手術翌日より抗菌点眼薬とステロイド点眼薬が開始となります。

術後の経過を見ながら、抜糸や点眼薬の種類を変更しますが、

ステロイド点眼薬は3~6か月継続することが多いです。

手術後は経過観察するため、定期的な診察が必要となります。

紫外線対策には、外出時にサングラスや帽子の使用を勧めています。

眼のことでお困りの際は、お気軽に相談してくださいね。

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